11/27から3日間にわたって開催されたOECD Forumに参加するため、前日にインチョン入りした。初日の午前中、遠隔で講座会議に参加していたため、開会行事の途中からの出席となった。今回のForumのテーマは、”the Future of Well-being”である。
オランダのローレンティン妃によるKeynoteでは、well-beingに果たす教育の役割について強調していた。学校での問題点として、well-being「恥の感覚」を挙げていた。競争的文化ではなく、不平等の解消、ジェンダーや多様性の保障などを実現する目的を果たすことを中核に据えることでそれを変えることができるだろう。
引き続き、ラウンドテーブルでは、今日の社会がどうあるべきかの議論がなされた。最も考えさせられたのは、ユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)である。AIが仕事を奪うという表面的な話は日本で散々言われてるが、生活ができれば何も問題はないはずである。現実問題として、労働と生活が連動しているがゆえに労働によるストレスの問題が生じている。あらゆるストレスから解放され、創造性と創意に満ちた人生を歩める方が価値あるのではないかという点である。そのコストを徴税のあり方や企業が生み出す利潤等の方向づけで解決できるのではとの方向性も示された。
ランチの後のKeynoteでも、ストレスによる問題が指摘された。ここでは、WHOの1948年の健康に関する定義を踏まえながら、テクノロジーによって「社会的健康」や「健全な他者とのつながり」を引き出していくことの重要性と事例が紹介された。
続く、ラウンドテーブルでは、デジタル化とWell-beingについて議論された。ここで印象的だったのは、登壇者の一人が韓国の科学技術大臣だったが、明確なビジョンを持って政策立案も含めて取り組まれていた点である。「真の」デジタルによる社会変化を目指すために、インフラの整備、教育内容も含めたトータルデザインを目指していることが伝わってきた。
最後のセッションは、心理学的アプローチに関するものに参加した。well-beingの観点から見て、ストレスや精神的問題による社会的損失が大きい、それゆえ、それらの問題を未然に防ぐ先回りのアプローチが求められる。その事例も紹介されていた。ここでもやはり韓国の取り組みが光っていた。
自殺率が最も高い状況を改善するために、その背景問題をデータから明らかにし、それを国際誌に公表してきた。その結果に基づき、センターを設立し、予防的アプローチを積極的に推進している。
会の締めくくりは、ディナーだったが、フルコースの大変美味しい料理を頂いた。この会の開催にあたって予算的な措置、内容も含めて、韓国の圧倒的な力量差を痛感せざるを得なかった。



