諸事情のため、3日目は午前のRoundtable “Future pathways to development” の途中から参加した。well-beingの観点から、「開発」を単なる経済的な視点に留まらず個々人の尊厳”dignity”を保障していくかにシフトしていくこと、対話の場を国際・国内・地域に創出していくことが話題に上っていた。テクノロジーの発展に伴い、初日にも議論されていたが次の市場経済の展望としてのUniversal Basic Incomeの点も論点として押さえていく必要がある。
続く分科会では”Building Resilience”に参加した。自分の科研のテーマでもあるので3日間でも特に行かねばと思っていたセッションであった。自分のテーマとは若干ズレていたものの、得られた視点は大きかった。
「レジリエンス」は、心理学の概念として広く知られるようになってきたが、それが現在、経済学や災害、持続可能性に取り入れられるようになってきた。登壇者2人は経済学に関する話題であった。
興味深かったのは、効率性よりもレジリエンスが重要という点である。例として交通システムと生産システムの話が挙がっていたが、効率化を行えばラインを一本化する方がよくなるが、不測の事態が起こった場合に失われるコストやロスが極めて大きくなる。現実に起こり得ることを理論的にモデリングとして実現しようというのが登壇者からの話題提供だった。
残り2人は、テーマに違いはあったが災害に関するものであった。災害自体は避けられないが、それによる問題を減らすことは対応できるものもある(住居の移転等)。このような介入的なアプローチも含めてシステム的に考えていくことが必要となる。
最後のRoundtableは、“Mapping the Future of Well-being” という締めくくりのテーマであった。”well-being”を軸にするというのは実は簡単な話ではない。ニュージーランド、スロベニアの登壇者も語っていたが、ポジティブなことばかり語られがちだが、実際多様な人々の背景や状況を汲みとりながら意思決定していくことは、複雑であるしむしろ苦しいものである。それでもなお、あらゆる市民が参加できる場を保障し、対話の場を設け、進めていくしかしかない。
また、競争についてもイノベーションを生み出す面がある一方で、負の側面も大きくある。登壇者が語っていた「正しく勝つ」というのは非常に難しいが考えねばならない視点だろう。
閉会行事では、3日間の振り返りと展望、潘基文前国連事務総長からの挨拶があった。最後に映像で振り返ろうとのエンディングイベントがあったが、バスの時間もあり、そこで退出した。
20時過ぎの飛行機でインチョンを出発し、22時過ぎに関空に到着した。関空近くのホテルで一泊してから、翌朝の伊丹―出雲便で島根に戻ることができた。



