(2021.03.31) 2020年度の振り返り

2020年度のふり返りを以下にまとめている。

■教育面

・講義等
 例年の多くの科目を担当しているが、コロナウイルス感染拡大防止に伴うオンライン対応でその負担感は想像以上のものだった。オンデマンドを基本とする大学に方針もあって、初等教育実践基礎B(論文講読)を除いて、全てオンデマンド対応となった。収録も当初は試みていたが、内容の薄さに直面したこともあり、授業資料を書くという取り組みに比重を置くようになった。
 非常勤についても、短大非常勤と大阪市立大学非常勤はオンラインでの対応となり、負担感を相当感じていた。一方、今年度で最終となる島根県立大学浜田キャンパスの非常勤については対面授業であったので、大変有り難かった。

 後期については対面授業も再開されたが、自身の主担当授業は150名を超えるものも多く、ほぼオンデマンド対応となった。特に「教育課程論」については全14回全て授業資料を書き、授業に臨んだ。後期からは解説等を収録したものを配信する形も併用することとなったが、これによって大人数授業では対面授業以上の可能性を感じることができた。
 後期の短大非常勤については対面授業であったので、充実感を感じることも多かったが、島根県立大学松江キャンパスの非常勤についてはオンデマンド対応となり、充実感も感じていたが負担感を感じていた。

・学生指導
 前期はオンラインということもあり、授業準備に追われる中で、ゼミについては停滞も見られた。数回Teamsを用いてゼミを行うことはできた。
 卒論指導を担当したゼミ生4人とも、当初なかなか思うように進まない時期もあったが、最終的には充実した内容に卒論をまとめることができた。ゼミ生の1人はSIG-02研究会で発表ができ、2人については論文にまとめて投稿する予定である。
 後期の対面再開後には、ゼミも対面で実施できるようになった。3・4年の通常の卒業研究に関するゼミに加え、『教師のレジリエンスを高めるフレームワーク』学習会、今度さんを招いての「デジタル・シティズンシップ」学習会を開催できたのは非常に良い機会となった。
 今期のゼミ活では、ゼミ活についてはオンライン対応であり、これまでと違う難しさを感じていた。最終的に、真10期生として、新たに3人のゼミ生を迎えることとなった。3・4年生の合同での学習機会も積極的に取り入れながら進めていきたい。

■学内業務

 附属学校主事は、3期目2年目(通算6年)を迎えた。前期のオンライン対応は教育実習に多大な影響を与えることなった。実習部と連携し、教育実習の実施方法等について方針を示すことには貢献することができただろう。前期課程南校舎の改修に関するワーキンググループ、学校設定科目である「未来創造科」やGIGAスクール構想の対応等については、具体的な発信ができ、ある程度貢献できたことは間違いない。
 6年間の附属学校主事業務については、課題もあったが十分やりきったと思っている。

■研究面
 教師のレジリエンスをテーマとする自身が代表の科研が、新たに採択された。先に述べたオンライン対応に追われる中で、思うように進められなかったのは大いなる反省材料である。
 出版については、編著者として『教師のレジリエンスを高めるフレームワーク』を、共訳者として『デジタル社会の学びのかたちVer.2』を公刊することができた。年度初めには自身のパート、共著者の原稿のすり合わせに相当なエネルギーをかけていた。また、7月・8月は、翻訳作業に相当なエネルギーをかけていた。こちらは自身のパートだけでなく、ある程度全般に対してコメントをさせて頂いた。
 研究発表については、紀要論文3本、国内発表1本という形でまとめることができた。紀要論文3本のうち2本は宇宙教育に関するものであり、その内容については次年度に実践を進める方向で準備を進めている。
 コロナ渦で心身共に厳しい状況もあったが、後ろに倒れず結果を少しは残せた点でよかったと思っている。

 日本教師教育学会国際研究交流部の一員としてのRethinking Educationの翻訳プロジェクトについてもオンラインでのディスカッション等、ある程度の貢献はできた。こちらの出版は次年度になりそうである。

 日本教育工学会SIG活動については、SIG-02教師教育・実践研究の代表の3年目であった。コロナ対応に追われる中、研究会等も停滞する状況に陥った。11月、そして3月の研究会をオンラインで開催することができた。今年度でSIG活動2期最終年度、現行のSIG活動の締めくくりを迎えたが、新しいSIG活動がどうなるかがまだ見えない状況にあるので、リスタートとなってから改めて考えていきたい。

■対外活動
 研究だけでなく、対外活動もほぼオンラインとなった。パナソニック教育財団の助成金贈呈式後のディスカッション、JAET全国大会については、研究発表の座長として貢献できた。 放送教育に関わっては、山口県に現地に訪問しての指導助言に携わることができた。
 附属幼稚園の共同研究者としては、公開研究会が実施できず、DVDに講演を収録する形となった。DVDには実践の様子を収める必要があったが、その記録役も担った。

 教員免許状更新講習として、毎年担当している必修(全般、幼稚園教諭向け)1時間、選択科目「教育評価の新たな地平」を担当したが、いずれもDVDに収録する形になったので資料作成に相当な負担を感じることとなった。

・学会等
 日本教育工学会では、評議員、広報委員会の幹事としての業務を担ってきたが、今年度でひとまず区切りとなった。

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