(2023.05.20)『ユネスコ・教育を再考する』翻訳刊行記念シンポジウム@島根大学

 5/20の14時から『ユネスコ・教育を再考する』翻訳刊行記念シンポジウムを島根大学教育学部多目的ホールで開催した。コアメンバーを含む約30名の参加者となったが、卒業生の参加者が最も多かった。

 まず、開会挨拶として、矢野先生@大妻女子大学より、本書の翻訳の経緯やこれまでの取り組みについて紹介して頂いた。
 そして、百合田先生@教職員支援機構と森先生@京都女子大学から話題提供を行って頂いた。百合田先生は、日本における教育を巡る議論と本書の方向性を明確にするために、機能強化-自由の解放権限、属性-個人という軸から捉える重要性を指摘した。日本では特に個人の競争主義、または学力低下・学力向上といった教育システムの議論が中心となっており、本書のテーマである人間主義につながる視点が欠如していることを浮き彫りにした。森先生は、あることが語られる「ディスコース」に着目することの重要性を踏まえた上で、「カウンターディスコース」が必要であり、本書がまさにそれを体現するものであることを確認した。

 15時からは、参加者のディスカッションであった。5グループに分かれ、コアメンバーがファシリテーター役を担って進めた。グループでの自己紹介の後、「学校ではどのような子どもを育てようとしているのか」をテーマにディスカッションを行った。その後、何十万人という生徒たちが気候変動のための対策を求めたFriday for Futureの運動を紹介した。また、オーストラリアのカリキュラムには、そのような事例を学んだ上で、市民キャンペーンを計画するというスタンダードでも設定されている。諸外国の例を聞いて改めて日本の学校教育についてどう考えるかというテーマでディスカッションを行った。
 クロージングセッションでは、各グループでどのような議論があったのかについてコアメンバーから紹介があった。

 16時で閉会したが、17時半まで懇談会として近況報告や議論の続きを行う場を設定した。途中で少しずつ抜けていく形にはなったが、最終的に半数は最後まで残って頂いた。
 『ユネスコ・教育を再考する』が「対話」をテーマとしており、それを行う最初のイベントとなったが、課題がありながらもよいスタートになったと言えるだろう。

 

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