第39回を迎えた「教師の力量形成に関する研究会」は、13時からZoomで約2時間行われた。私が担当回であったので、次の論文の内容を30分程度報告し、3名の先生とディスカッションを行った。
Boylan, M. & Woolsey, I. (2014). Teacher education for social justice: Mapping identity spaces. Teaching and Teacher Education, 46: 62-71
社会正義のための教師教育の概要と教員志望学生のアイデンティティの揺らぎをプログラムに参加した対象者のナラティブから浮かび上がらせた研究であった。社会正義のための教師教育では、「不快感(discomfort)」と「探究(inquiry)」が基本となる。自身の被教育体験等をゆさぶることで格差や不平等に気づくことは不快感を感じるが、それによって実践やシステム問い直したり再構築し直したりする探究へとつながるのである。それは、一人一人のアイデンティティと密接につながるものなので、英国における社会正義の考え方を踏まえた数学教育に関するプログラム受講者が、それをいかに受容したり反発したりするのかを描き出していた。
ディスカッションにおいては、本論文が掲載された掲載誌の制約から数学教育そのものの内容やPCKを問うものではなかったが、教科固有の社会正義の実践をどう考えるべきか、不公平の是正を教科や学校のパフォーマンス測定との文脈でどう考えるか(英国においては極めて重視される事項)、米国、カナダ、英国を中心とするディスコースがアジアにどう反映可能か等が議論となった。
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