(2022.03.05, 06) 日本教師学学会の参加・発表

 3/5と3/6にオンラインで開催された日本教師学学会に参加するため、2日間大学に出勤した。

 初日の自由研究発表の分科会D「教育実践の改善・カリキュラム開発①」では座長を務めた。総合的な探究の時間における高大接続、小学校における「エージェンシー」を育む総合的な学習の時間におけるカリキュラム開発、中学校におけるキャリア教育に関するアクションリサーチという3件の発表だった。総合討論では参加者が来て頂いたが、それまでのところでは座長・発表者のみという状況であった。その分、相互にディスカッションをしながら進められたのでポジティブな面もあった。

 その後、「国際的な視点で教師教育の方向性を考える—イギリスを事例として―」 の講演となった。時差の関係でDr. Elaine Wilsonの講演パートは録画したものを視聴する形であったが、Zoomのチャットで字幕が入る形であった。動画に字幕を貼り付ける作業は時間がかかるため、1つの解決策として学ぶところがあった。Dr. Wilsonが諸外国で関わってきたプロジェクト等を交えながら方向性を示しつつ、COVID-19パンデミック以降に直面する諸課題を取り上げていく講演であった。教師学学会としては初の企画だったようだが、非常に意義ある内容であった。

 2日目の自由研究発表の分科会I「教育実践の改善・カリキュラム開発④」では、「幼稚園における探究的な学習の課題と可能性」について発表を行った。探究的な学習に関する研究テーマを掲げたX幼稚園に勤務する4名の幼稚園教諭を対象としたインタビュー調査をまとめたものであった。探究を改めて捉えることの困難さがありつつも、それが4名の協働を引き出す契機となったという内容だった。その他、家庭科教師のライフ・ストーリーを基にしたカリキュラム・デザインの研究、高校におけるアクションリサーチの研究が同セッションにあったが、総合討論においてはそちらが主になり、あまり私の研究がつながらなかった点は若干物足りなかった。

 最後の企画は、澤本和子先生の講演「リフレクション reflection」という学びー教師を生きる経験を記述する」であった。澤本先生がこれまで取り組まれてきた授業リフレクションの研究を総括する内容であり、大変聞き応えがあった。質疑の時間が十分なかったので質問はできなかったが、実践者がどのように理論的な視座に移行していくかという点が聞きたいところであった。

 年初から課題を抱える中の参加であったが、研究コミュニティの中で自分の立ち位置を取る戻すことの重要性を感じる2日間であった。

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