(2022.06.02) 日本教育工学会重点活動領域 学習評価部会第1回研究会

 日本教育工学会では昨年度から重点活動領域の3部会が設定されている。代表を務める学習評価部会の第1回の研究会を6/2にZoomで開催した。

内容:「真正の評価」における「真正」とは何か?(深見俊崇 島根大学)
   次の学びにつながる評価研究(益川弘如 聖心女子大学)

 私は、米国において「真正の評価」が求められた背景を概説した後、「真正の評価」の要件を確認した。それを満たすためにも、学習の場と活動そのものが大きく転換される必要性を押さえた(例:学校の物理と物理学者の物理)。
 米国における実践例として、『パワフル・ラーニング』に所収の”The Build San Francisco Institute”(建築現場で数学を学ぶ)と”Technology Empowers Student Fieldwork”(地域の固有種であるサバクツノトカゲの追究)を紹介した。
 これらの事例から、比較的長期間取り組まれる意味ある文脈における実践が前提となること、その実践に学問内容(各教科等)が埋め込まれかつそれらを評価する ための仕組みを組み込むことは不可欠 、期待される望ましい姿(サバクツノトカゲの事例では学会発表)を児童・生徒と教師が共通理解すること、の重要性を確認した。

 益川先生も、テストの問題点について、異なる文脈から指摘して頂き、テストをいかに変えていくかについて話題提供をして頂いた。その上で、Pellegrinoの「評価の三角形」を基に、国、行政、学校レベルでも評価のあり方を検討することの意義を確認した(参考:国立教育政策研究所 令和2年度教育研究公開シンポジウム 高度情報技術の進展に応じた教育革新~「学習評価」の充実による教育システムの再構築:みんなで創る「評価の三角形」~ )。また、学習科学の先行研究である、”Knowlege Forum”の事例、テストについての生徒の語りを分析した研究から、学習という観点から問い直す視点を提起して頂いた。

 一時間の公開の後、コアメンバーで30分程度ディスカッションを行った。研究としてのコストパフォーマンス、理念的なモデルを現場でいかに実現していくか等、考えるべき視点が色々見えてくることができた。

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