島根県立大学松江キャンパスで「教育方法学」の集中講義を2/19、20の2日間担当した。
主な内容は以下の通りである。
2/19
第1回:教授・学習の原理と構造1
3つの学習観(行動主義、認知主義、(社会的)構成主義)を押さえた上で、そのうち行動主義と認知主義について取り上げた。
客観的に観察可能な「行動」に焦点を当てる行動主義の基本的な考え方を紹介した上で、オペラント条件づけを動画を交えながら確認した。スキナーは、それを人間の学習に応用し、プログラム学習を提唱したことを押さえた上で、e-learning等にも現在応用されていることを紹介した。
人間の情報処理過程に着目する認知主義については、スキーマとスクリプト、熟達(エキスパート/ノービス)というキーワードについて、事例を踏まえながら確認していった。
第2回:教授・学習の原理と構造2
構成主義に説明した上で、特に社会的構成主義を取り上げた。最近接発達領域、足場かけ、正統的周辺参加の3つを主に取り上げ、学習における他者の必要性と共同体の重要性について確認した。
それから、外発的動機づけ/内発的動機づけと興味の重要性について確認した。
2/20
第3回:教授・学習の形態と様式
本時では、「真正の評価」を主に取り上げた。まず、「真正」とは何か、どのような評価のあり方が批判されてきたのかを確認した。そして、職場に埋め込まれた学習として、ある職場紹介の動画から、各教科等の内容を読み取ってもらった。また、プロジェクト・ベース学習の事例としては、『パワフル・ラーニング』にも掲載されているウォータービルにおけるサバクツノトカゲの調査に関するものを紹介した。
ARCSモデルについては、解説を行った上で、それぞれの下位に含まれる内容から重要となることを見つけてもらうワークに取り組んだ。
第4回:情報活用能力の育成とICT活用
GIGAスクール構想にいたる情報教育・ICT活用の推進を概説した上で、GIGAスクール構想で求められる方向性について確認した。また、教育の情報化に関するデータから、学校現場が劇的に変わりつつあることの共通理解を図った。現在求められる情報活用能力について押さえた上で、1人1台端末での実践例からポイント等を考察してもらった。
第5回:諸外国におけるICT活用のあり方
まず、米国におけるICT活用の実践例としてプロジェクトの活動において必要な状況の中でICTを用いる事例を紹介した。
Thinkering Studio: Supporting Self-Directed Learning
その後、「倉敷宣言」「富山・金沢宣言」で目指されたICT活用のあり方、デジタル・シティズンシップについて共通理解を図った。前提となるシチズンシップを踏まえた上で、デジタル・シチズンシップの定義や構成要素を確認した。
その上で、日本の情報モラル教材とデジタル・シチズンシップの教材を視聴してもらい、求められる「シティズンシップ」のあり方や教材の構成について対比的に考察してもらった。
6年 10代の声・ネット上での自分自身の表現