前回の投稿に引き続いて、Richmondに移動してからの研修についてまとめておく。
11/26については、夕方からホストファミリーとのディナーが予定されていた。4ファミリーが研修に協力してくれたことから、2-3名が分かれて色々コミュニケーションを取れる機会を得ることができた。私も参加させて頂き、楽しい時間を過ごすことができた。
11/27は、Thomas Jeffersonが建築した家とプランテーションがあるMonticelloのツアーであった。2019年度研修でも訪れたが、今回は悪天候と非常な寒さ、そして濃霧という悪条件が重なった(写真1)。素晴らしい景色は残念ながら見ることはできなかったが、知識人としてのJeffersonの側面や歴史的な位置づけ等を学ぶことができる貴重な機会となった。
11/28からは、最終のVCU研修がスタートした。授業、学校訪問、国際交流のイベント等が設定されていた。
11/28の午前中は、アカデミックライティングに関する授業だったが、テーマは引用と意見の主張であった。黒人の歴史に関する課題文を読んだ上で、どこに着目し、そこからどのような意見を考えたかをグループでディスカッションすることがメインとなった回だった。
課題文の一部 The past is not dead. History lives and acts upon us; even though we cannot see it, it influences us, changes us, exalts us, vilifies us, and defines us” (Wade, 2016, p. 382).
午後からはランチ等で研修期間中利用させて頂いていたPace Centerにて、学生とランチをとった。食材もあったのでみそ汁とおかずを私も料理させてもらった。
その後、2名の学生と、Virginia State Capitolに向かった。周辺が工事中だったので若干心配であったが、Capitol Tourは通常通り行われていた。ツアーガイドの職員の方が色々丁寧に説明してくれたことで学生たちも非常に学びになったことは間違いない(Jeffersonの建築やRichmondの歴史等)(写真2)。本会議場にも入れてもらうことができたので大変ありがたかった(写真3)。
Capitol Tourも貴重な機会だったが、周辺にある2つの記念碑にも出合えたことが重要だった。1つが女性の権利のために戦った人たちのThe Virginia Women’s Monumentである(写真4)。多くの銅像は、いわゆる英雄(男性)が中心となってきたが、それに隠された声を表象するものだった。もう1つは、Capitolの側にあるVirginia Civil Rights Memorial(写真5)である。これは、アメリカの公立学校における人種隔離を公式に覆したブラウン対教育委員会裁判(Brown v. Board of Education of Topeka)にまとめられるうちの1つの裁判(Dorothy E. Davis, et al. versus County School Board of Prince Edward County, Virginia)の闘争を記録するものであった。2名の学生は、ワシントンD.C.でのSerious Tourには参加できなかったが、この記念碑を通じて色々議論できるきっかけとなった。
11/29の午前中は、Pop Cultureに関する講義だったが、日本の教育に関するディスカッションを設定してもらった。ある日本の子どもの小学生から高校生までの歩みを記録した映像を基に、日本と米国の教育等の差異について各グループでディスカッションしたが、学生たちも話しやすいテーマだったので積極的に話題提供を行っていた。
午後からは、VCUのProvostによる講義が行われた。テクノロジーの変化に伴う働き方やVCUの新しい提案等、興味深い内容だった。それ以上に、質疑では学生がその内容を踏まえつつ、高額の学費や学生生活が変わらないことに対する異議申し立てがあった(Unionの代表学生)。最終的に”good question”と言って打ち切ったが、このような場面は日本で見ることはほぼないといってよいだろう。
その日の夜に、Bridge International Dinnerが行われた。様々な国から留学生が来学することから、定期的にイベントが行われており、VCU研修期間中ということで、8名の学生も参加した。私も前半だけ顔を出すつもりだったが、ディスカッションの時間があり、ほぼ最後まで残ることとなった。終了後、2名の学生と翌日の学校訪問で行うプレゼンテーションを準備を進めた。