昨年度に引き続き、対面授業で大阪公立大学(大阪市立大学から改組)の集中講義「教育メディア論」を担当した。2013年度から担当しているため、今回が10年目の年となる。
3日間の受講者は8人であり、2グループの編成で基本的に進めた(グループは1日ごとにチェンジ)。
第1回 情報とメディア
自己紹介、シラバスの確認の後、それぞれの言葉を自分なりに考えてもらってから、それぞれの定義を確認した。その後、「メディア」になる体験として、伝達ゲームを行ってもらった。そして、メディアを巡る歴史的変遷(アルタミラから19世紀・20世紀まで)を象徴的な部分を捉えながら確認した。
第2回 情報教育とICT活用
情報教育とICT活用の用語を押さえながら、1970年代からおよそ10年区切りで情報教育の意味の変遷を辿っていった。現在の情報活用能力として求められているものを確認した上で、その内容についてワークで深めた。
第3回 1人1台環境の到来による学習の変化
日本におけるGIGAスクール構想以前からBYODの発想が諸外国では広がっていた。その事例を視聴し、学習環境等について考察してもらった。
GIGAスクール構想等の方向性を確認した上で、1人1台端末環境における一斉学習、個別学習、協働学習という基本的な枠組みを押さえた。教室の壁を超えてつながるにはどこが望ましいか、それによって何が得られるかをグループで検討してもらった。最後に1人1台の実戦を継続的に行っている学校の事例を視聴してもらい、その可能性についてグループで協議した。
第4回 国際的な文脈における ICT 活用の理念と実践
まず「富山・金沢宣言」を紐解きながら、「包摂的かつ公平で質の高い教育」を前提としたICT活用の方向性を確認した。その上で、経済的に厳しい地域であっても創造的な実践で問題解決を図る事例を紹介し、日本における実践のあり方について検討してもらった。
Project Learning: Expeditions in Portland, Maine
ICT活用のあり方として、OLPC(One Laptop per Child)の理念と実践例を紹介した。
Nicholas Negroponte takes OLPC to Colombia – YouTube
第5回 情報モラルからデジタル・シチズンシップへ
情報モラルの定義、学習指導要領の位置づけ等を踏まえながら、文部科学省チャンネルにある教材を視聴した(当然トラブル型)。
前提となるシチズンシップを踏まえた上で、デジタル・シチズンシップの定義や構成要素を確認した。その上で、デジタル・シチズンシップの教材2つを視聴してもらい、それと日本の教材との対比で考えてもらった。
6年 10代の声・ネット上での自分自身の表現 – YouTube
12年生:僕らは市民のコミュニケーター – YouTube
