(2023.03.30) 『ユネスコ・教育を再考する』翻訳刊行記念シンポジウム

 3/30の午後から『ユネスコ・教育を再考する』翻訳刊行記念シンポジウムが開催された。オンライン配信のみであったが、登壇者については大妻女子大学の会場で集い、発表・ディスカッションを行った。

 コーディネーターの矢野先生@大妻女子大学から、翻訳の取り組みやシンポジウムの趣旨について確認して頂いた後、百合田先生@教職員支援機構から「なぜ今なのか」について話題提供があった。海外のモデルを取り入れることはしばしば行われるが、訳書の副題にある「参照軸」がなぜ重要となるかについて、”Mode of Having”(もつこと)と”Mode of being”(あること)を対比しながら、本書のテーマとなる「人間主義」について重要な視点を提起して頂いた。引き続き、森先生@京都女子大学から、「研究と実践の視野の変化」について話題提供があった。森先生の取り組まれてきた研究とユネスコ訪問、OECDフォーラムやITPフォーラムの参加を通じて、どのような論点が生じてきたについて紹介して頂いた。それらが本書のテーマである「対話の呼びかけ」「支配的な開発言説への対抗」というディスコースにつながっていくこと、ウェルビーイングがいかに捉えられ、今後どのように検討されるべきかについて確認して頂いた。

 休憩を挟んだ後、登壇者全員によるディスカッションに引き継がれた。参加者のコメントを紐解きながら、本書のテーマと日本における様々な課題を約1時間様々な角度から議論した。前半については資料を準備して頂いていたが、このパートについては事前に特に設定はしていなかった。もちろん、翻訳やWERAの発表を通じて長らく議論してきたメンバーだからこそそれぞれの持ち味を活かして進められるという共通理解があってのことである。時に応答しつつ、時に相互の反論もあり、まさに「ディスカッション」というパートに相応しい内容になっただろう。

 これはあくまでスタートであって、今後も様々な形で展開していくことがコアメンバーの共通理解となっているので今後も期待して頂きたい。

 当日の登壇者と本書の編集担当者の集合写真である(荒巻先生@帝京大学については交通事情で会場に到着できず、オンラインの参加となった)。

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(2023.03.25-26) 日本教育工学会2023年春季全国大会

 3/24、25は、東京学芸大学で開催された日本教育工学会2023年春季全国大会に参加した。前日に東京入りし、学習評価部会の準備を進めていた。

 初日は、午前中に発表を聞いてから、12時から会員控室で学習評価部会のメンバーで打ち合わせを行った(3/15に登壇者でのミーティングを実施済)。午後の発表を4件聞いてから、早めに会場に向かった。

 15時半から17時まで重点活動領域セッションの学習評価部会のパートが開催された。当初人数が少ないかもと危惧していたが、44名(部会メンバー、重点活動領域関係者含む)の参加者となり、大変盛況であった。
 まず、学習評価部会の概要について説明した後、泰山先生@鳴門教育大学から「教科等横断的な資質・能力の育成・評価手法の検討」について話題提供して頂いた。資質・能力を可視化できる形に具体化し、それらをつなぐアプローチであった。泰山先生の話題提供を踏まえ、Jamboardを用いてグループ協議を行った(9グループ)。
 後半は、私が学習評価部会として開催した5回研究会の概要を紹介し、そこから「そもそも何を評価するかの方向性を確認した上で,評価のデザインを事前に検討すること」「授業等でいかなる学習が生起するかを構想した上で,学習プロセスからデータを収集するための方法を検討すること」「CBTやLA等のテクノロジを組み込んで学習評価を再検討すること」の展望を確認した。
 その視点を踏まえて、今後どのような点を学習評価において考えるべきかについてGoogle Formを用いて個人の考えを入力してもらい、その後短時間、グループで共有する活動を行った。
 最後に、大浦先生@東京理科大学、益川先生@聖心女子大学から、Google Formの入力内容を基にクロージングの話題提供を行って頂いた。

 2日目は、午前中数件の発表を聞き、質疑応答を行った。
 午後からは、代議員総会、全体会、SIGセッション、シンポジウムと続いた。 飛行機の関係で、シンポジウムの途中16時頃に中座することになったが、YouTube Liveの配信を音声で聞きながら空港に向かった。

 発表や様々な企画が大会としての最重要事項ではあるが、様々な方と立ち話や近況を語り合う機会を持つことができ、やはり対面の会はよいなと思う2日間だった。

 

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(2023.03.20) ゼミ中間発表会・送る会

 毎年3月に3年ゼミ生が卒業研究で取り組む内容を発表する「ゼミ中間発表会」を開催している。コロナ拡大以前では、送る会・新歓もセットにする形で長らく行われてきたが、しばらくは発表のみにせざるを得なかった。今年度は外部会場で行う形とし、ゼミ中間発表会と卒業生を送る会を催すことにした。新歓については1名しか都合が合わなかったので、来年度に改めて行う予定である。
 中間発表会について、まだまだ課題もあるが、卒業研究について具体的な方向が見えたことは重要な機会だっただろう。
 送る会については、3・4年生でプロジェクトも進めてきた学年であるため、締めくくりの会を設けることができたことは大きかっただろう。

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(2023.03.17) 令和4年度島根大学学位授与式(松江キャンパス)

 3/17は、令和4年度島根大学学位授与式(松江キャンパス)であった。
 ゼミ生が総代に選出されたため、島根県民会館の式典にも出席した。保護者席が満席となったため、残念ながら別会場での参加となった。
 午後からは専攻での学位授与式が挙行された。昨年度は、学位記については郵送となったため、式自体は行われたが全員出席とはならなかったが、今年度は専攻の卒業生全員が出席しての会を催すことができた。
 全員で集合写真を撮影することもでき、4年間の学びを締めくくるイベントを開催できたことは教員としても非常によかったと心から思っている。

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(2023.03.16) 鳥取大学日本語予備教育コース閉講式

 3/16の13時から約30分、鳥取学日本語予備教育コース閉講式にZoomで参加した。来年度から1年間、海外研修生を1名受け入れることになっている。学習の成果として挨拶を行ってくれたが、半年の努力が垣間見られた。
 来年度からいよいよ本格的な活動がスタートするのでよりよい方向に進めていきたい。

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(2023.03.15) 学習評価部会ミーティング

 2023/3/25・26で日本教育工学会春季全国大会が東京学芸大学で開催される。重点活動領域の3部会がそれぞれセッションを持つことになっており、学習評価部会は以下のような内容を企画している。

重点活動領域セッション(学習評価部会)2023年03月25日(土) 15:30〜17:20
・登壇者:深見俊崇(島根大学)・泰山裕(鳴門教育大学)・益川弘如(聖心女子大学)・大浦弘樹(東京理科大学)
・内容: まず,2022年度に学習評価部会で行ってきた研究会の概要を確認した上で,学習評価研究における展望について概説していきます.そして泰山先生(鳴門教育大学)から,教科等横断的な能力の育成・評価のために開発した Can-do Statementsと,それを基にした指導と評価のパッケージについてご提案いただきます.それを基に特に初等・中等教育における学習評価のあり方について参加者の皆さんと共に議論を行います.

 3/15の18時から1時間ほど、登壇者4人で当日の進め方やディスカッションの方向性について協議を行った。当初、色々悩んでいたところはあったが、皆さんとのディスカッションによってよりよい方向にまとめることができた。
 当日、会場に足を運んでいるならば是非ご参加頂きたい。
 

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(2023.03.13-14) 島根県立大学松江キャンパス集中講義

 島根県立大学松江キャンパスで「教育方法学」の集中講義を3/13、14の2日間担当した(中・高・栄養教諭免許取得者向け)。3/13については、大学院のⅢ期入試が行われたことで急遽オンデマンドに切り替えて実施した。主な内容は以下の通りである。

(3/13 オンデマンド)
第1回:教授・学習の原理と構造1
 3つの学習観(行動主義、認知主義、(社会的)構成主義)を押さえた上で、そのうち行動主義と認知主義について取り上げた。
 客観的に観察可能な「行動」に焦点を当てる行動主義の基本的な考え方を紹介した上で、オペラント条件づけを動画を交えながら確認した。スキナーは、それを人間の学習に応用し、プログラム学習を提唱したことを押さえた上で、e-learning等にも現在応用されていることを紹介した。
 人間の情報処理過程に着目する認知主義については、スキーマとスクリプト、熟達(エキスパート/ノービス)というキーワードについて、事例を踏まえながら確認していった。

第2回:教授・学習の原理と構造2
 構成主義に説明した上で、特に社会的構成主義を取り上げた。最近接発達領域、足場かけ、正統的周辺参加の3つを主に取り上げ、学習における他者の必要性と共同体の重要性について確認した。それらの視点を踏まえ、アメリカの講義(サンデルの正義論)と日本の大学の授業との差異を検討してもらった。
 それから、外発的動機づけ/内発的動機づけと興味の重要性について確認した。

(3/14 対面)
第3回:教授・学習の形態と様式
 本時では、「真正の評価」を主に取り上げた。まず、「真正」とは何か、どのような評価のあり方が批判されてきたのかを確認した。そして、職場に埋め込まれた学習として、ある職場紹介の動画から、各教科等の内容を読み取ってもらった。また、プロジェクト・ベース学習の事例としては、『パワフル・ラーニング』にも掲載されているウォータービルにおけるサバクツノトカゲの調査に関するものを紹介した。
 ARCSモデルについても、解説を行って、ワークに取り組んでもらう予定にしていたが、ワークについては時間切れとなった。

第4回:情報活用能力の育成とICT活用
 GIGAスクール構想にいたる情報教育・ICT活用の推進を概説した上で、GIGAスクール構想で求められる方向性について確認した。また、教育の情報化に関するデータから、学校現場が劇的に変わりつつあることの共通理解を図った。現在求められる情報活用能力について押さえた上で、1人1台端末での実践例からポイント等を考察してもらった。

第5回:諸外国におけるICT活用のあり方
 まず、米国におけるICT活用の実践例としてプロジェクトの活動において必要な状況の中で用いるものを紹介した。

Thinkering Studio: Supporting Self-Directed Learning

 その後、「倉敷宣言」で目指されたICT活用のあり方とデジタル・シティズンシップについて共通理解を図った。前提となるシチズンシップを踏まえた上で、デジタル・シチズンシップの定義や構成要素を確認した。その上で、デジタル・シチズンシップの教材を視聴してもらい、求められる「シティズンシップ」のあり方や教材の構成について考察してもらった

12年生:僕らは市民のコミュニケーター

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(2023.03.10) 島根県教育センターとの情報交換会

 3/10の9時半から約2時間、島根県教育センターとの情報交換会が山陰教員研修センター(SaTeLa)で開催された。
 教育委員会として行っている志願者確保の取組、若手教員の研修・支援、高大接続事業、教員免許状更新講習の後継事業等、様々な議題について共通理解を図る重要な機会となった。
 後継講習として、「教育評価の新たな地平」(4コマ)を継続して開講することになった。また、「令和の日本型学校教育の実現を目指した探究学習指導・STEAM教育のノウハウ(基礎編)」(1コマ)を担当することになった。

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【告知】『ユネスコ・教育を再考する』翻訳刊行記念シンポジウム(2023.03.30)

 昨年出版された『ユネスコ・教育を再考する』の刊行を記念するイベントとして、日本教師教育学会国際研究交流部シンポジウム「なぜ今か、何を“再考”するのか―新たなディスコースの創造とその参照軸」が3/30にオンラインで開催される。

 ”Rethinking Education”の翻訳にあたっては、翻訳チーム全体での複数回の議論に加え、今回登壇するメンバーで、2回のWERAの発表・議論、様々な機会でキーワードの検討等を重ねてきた。そういった意味で、『ユネスコ・教育を再考する』の刊行は1つの到達点であり、また日本におけるその理念を発信していくスタートラインでもある。

 オンライン開催ということもあり、様々な方に「なぜ今か、何を“再考”するのか」を共に考えてもらう機会を得てもらいたいと願っている。

 申込については、以下のURLから行ってもらいたい。

 https://forms.gle/ayGSE8DtZZY9Yb

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(2023.03.03) ゼミプロジェクト成果報告会

 3/3の9時半から個別化教育に関するゼミプロジェクトに関する成果報告会を開催した。Zoomを用いて、協力先のX小学校の校長に対して10月に行った実践と成果についてJAET全国大会の発表を中心に報告した。ゼミ生は、4年生2名、3年生3名(1名オンライン)とゼミ内定者3名が参加した。X小学校校長から発表に対して今後の実践や方向性に対して的確なコメントを頂いた。音声トラブルが若干あったが、ゼミ内定者3名も参加することができ、貴重な機会を設定して頂いたことに大変感謝している。

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