(2020.03.31) 2019年度のふり返り②

 後半のふり返りは、主に研究と対外活動に関するものである。

■研究面
 自身が代表の科研が、最終年度を迎えた。論文(ショートレター特集号)1本、研究報告1本、国際発表1本、国内発表2本という形でまとめることができた。国内発表の1つが日本教育工学会全国大会であり、それはオンラインでの発表を行うことができた(当日の記録2日目の記録)。しかし、もう1つの日本教師学学会全国大会は中止となり、発表扱いという形になっている(Jera_taikai_21_HappyouYousi)。
 これらの発表に関連したものとして、7月に中堅・ベテラン向けレジリエンスを形成発展プログラムの実施8月に初任教師(教職実践演習履修者)向けプログラムを実践することができた。
 また、教員志望学生対象としては、少数ではあったが大阪市立大学でもレジリエンス形成プログラムを実践することができた。昨年同様、専攻の教職実践演習でも2回の実践を行うことができた。
 最終成果については書籍として公刊できるよう準備を進めている。発刊日は未定であるが良いものになると自信を持っている。また、最終年度を超えてもいくつか論文化していないものが残っているため、それらをまとめる作業は進めていきたい。
 
 ルーマニアのシビウで開催されたISATT2019では、上記の発表意外にも、様々な情報収集と情報交換ができた(記録:初日2日目3日目4日目)。アイスランド在住の日本人研究者の方と指導教員の先生方と日本の状況について現地で色々ディスカッションできたことも価値ある時間となった。

 今年度、研究関連で印象に残っているのは、日本教師教育学会国際研究交流部の一員としてWERA2019、そしてRethinking Educationの翻訳プロジェクトに関わったことである。7月11月1月に開催された東京での会に加えて、オンラインの参加もあり、皆さんと密な議論を行うことができた。こちらについてはタスクがまだいくつも残っており、年度明けにはクリアしたいところである。
 
 日本教育工学会SIG活動については、SIG-02教師教育・実践研究の代表の2年目であった。鹿児島でのSIG研究会では少数ながらも非常に充実した学びの場を設けることができた。しかし、それ以降については思うようにリードを取ることができず、コアメンバーの皆さんに多大なご迷惑をおかけした。1月のSIG研究会前に皆さんと協議することで、3月まで、そして来年度の動きの見通しを持つことができた。残念ながら、3月の研究会についてはコロナウイルス関連で中止にせざるを得なかった。
 来年度はSIG活動2期最終年度を迎えるが、この混乱の中、どうよりよい形で締めくくるかをコアメンバーと協議しながら進めていきたい。

■対外活動
 今年度最も印象的だったのは、日本教育工学協会(JAET)の2019年度島根大会を無事に開催できたことだ(前日の記録初日の記録2日目の記録)。JAET本部、企画委員会、現地実行委員会の皆さんの積極的な行動によって実行委員長としては開催までは論点を確認したり必要な情報提供を行ったりするぐらいの仕事であった。
 会場校である雲南市立木次中学校の指導助言者として、5月6月8月(雲南市全体研修)9月と4回訪問指導を行った。当初はまだまだ心配もあったが、授業者の課題意識も徐々に深まり、当日は大変提案性のある授業を公開することができた。また、島根県立三刀屋高等学校についても、7月10月の直前に県教委の担当者と共に公開授業のサポートを行った。
 開会直前まで申込数が伸びず、参加者が少ないまま2日間を迎えるのではないかと大変不安を感じていた。ところが蓋を開けてみると、当初予想を大きく覆し、公開授業(雲南市)516名、全体会会場(島根県民会館)835名と島根県という立地条件での開催としては大変盛会で終えることができた。公開授業に関しては、遠方から足を運んで頂いた指導者の多大なサポートがあってのことであり、心から感謝している。
 2日間天候が良くなかったこともあり、企業展示にもたくさんの人が足を運んで頂いた。各ブースに御礼の挨拶回りをしていたが、各社から大変高評価を頂いたのも実行委員長として大変嬉しく思ったことである。
 JAET本部の皆さん、企画委員会の皆さん、JAET役員の皆さん、そして島根県メディア教育研究会の皆さん、松江市、雲南市の現職教員のサポートメンバーの皆さんの協力で会を成功に導くことができたのを大変誇りに思っている。

 放送教育に関わっては、山口に2回訪問させて頂いた。8月に開催された「NHK for School×アクティブ・ラーニング 実践ワークショップ」では県内の多くの先生を迎えて、総合的な学習の時間に関わるワークショップを担当した。課題点はあったものの、参加者が活発なディスカッションと共有活動を展開することができた。また、11月には山口県小学校教育研究協議会視聴覚教育部研修会として実施された下松市立久保小学校の研修会の指導助言を担当した。「エイゴビート」を活用した継続視聴による学習成果を感じる授業実践であった。
 毎年12月に開催される教育番組企画検討会議に今年度も出席させて頂いた。小学校部会のコーディネーターを担当したが、実践者の皆さんとのディスカッションは非常に得るものが多かった。

 附属幼稚園の共同研究者としては、公開研修会に向けて園内研修と研究協議に携わった(10月直前)。附属幼稚園が単体として行った会としては参加者も多く、非常によい形で終えることができただろう。

・更新講習等
 教員免許状更新講習として、8月に選択科目「探究的な学習の開発」を新規開講した。様々な工夫を行ったが、他の講習と重なっていたことから受講者が少なかった。
 それ以外には毎年担当している必修(全般、幼稚園教諭向け)1時間、選択科目「教育評価の新たな地平」を担当した。

・学会等
 日本教育工学会では、評議員、広報委員会の幹事としての業務を担っている。特に後者についてはニューズレターの校正作業はハードワークな業務である。
 日本教育工学協会においては、大会を開催するため副会長職を奉じていたが、大会を終えたことで一区切りとなる。

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